粉河寺は、和歌山県紀の川市粉河にある天台宗系の粉河観音宗の
総本山で、宝亀元年大友孔子古によって創始されました。
中門前の庭園です。
中門前庭園の手水鉢は「荷葉鉢」と言って粉河鋳物師
五代目源正勝作と言われています。
寛政8年刊行の紀伊国名所図会粉河寺の項です。
中央に中門が描かれていて参道が丈六堂の前で
左に曲がり、階段を上った正面に
本堂が描かれています。
粉河寺中門です。
中門(重文)は天保3年(1832)の建立された三間一戸入母屋造の
楼門で、左右の間に四天王像が安置されています。
『風門山』という山号額が掲げられていますが、
この額は紀州十代藩主徳川治宝公の
直筆と言われています。
中門を潜ると丈六堂前の粉河寺庭園にでます。
丈六堂は阿弥陀如来を安置する堂で、修行僧が
念仏修法を行うところです。
丈六堂本尊の阿弥陀如来坐像です。
正面が紀州産の名石を使った石組と植栽樹の配置に
特徴があり、日本庭園の中でも独特の様式で
国の名勝に指定されています。
石段を上った正面に粉河寺本堂があります。
本堂は、大友孔子古によって建てられ風猛山粉河寺と称し、
広大な伽藍の中心をなす堂宇ですが、何度も焼失し
現在の本堂は江戸中期の享保5年(1720)に
再建されました。
本堂は本尊の千手観音(絶対秘仏)を安置する正堂と、礼拝の
ための礼堂を前後に並べた型になっています。
正堂下の地中容器に納められた本尊の千手観音菩薩像は
絶対秘仏で、公開された記録もなく「お前立ち」と
称する像も秘仏になっています。
本堂の左隣に千手堂(重文)があります。
千手堂は、宝暦10年(1760)の建立で本尊で秘仏の
千手観音立像が安置されています。
平成20年(2008)に一度開扉されました。
本堂と千手堂の間の参道石段を上ると産土神社があります。
産土神社は、旧粉河村の総鎮守であり粉河寺の鎮守で、
祭神は丹生都比売命、天忍穂耳命です。
本堂前に戻って右側にある六角堂前別の参道を通って
十禅律院の参道に向かいます。
十全律院の土門前の参道です。
十全律院の境内です。
十全律院は、平安時代の正暦元年(990)石崇上人によって
創建された粉河寺の塔頭寺院だったのですが、江戸
時代の後期に紀州藩主徳川治宝公の命で
天台宗の寺院に改宗し十全律院
として創建されました。
十全律院の庭園を観賞し、粉河寺を下山します。
昼食を兼ねて青洲の里の見学に
行 き ま ~ す。